600年の名湯 新生「長門温泉」の挑戦

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山口県北西部に位置し、約600年の歴史を持つ長門湯本温泉。観光客の低迷に苦しむ温泉街が活性化を図り、今年春に再整備を終えた。
 昭和58年に約40万人だった宿泊者数は、平成26年には半分以下に落ち込んだ。さらに同年、老舗旅館が倒産し地元旅館関係者らの危機感が強まった。長門市は旅館跡地に高級旅館などを手掛ける「星野リゾート」を誘致。観光客に何度も訪れてもらえるような場所を目指し、官民共同で約4年かけて街ごとリニューアルした。
 車道を歩道に変えてベンチを多く設置し、浴衣姿でそぞろ歩きができる街の中心部。住民や観光客に親しまれてきた公衆浴場「恩湯」は建て替えて一新した。
 だが伝統ある温泉街の改革は容易ではなかった。車道が減ることで、地元の高齢者から不満が出た。「整備中に観光イベントを開き、今まで来たことがない若者でにぎわったことで、地元の意識も変わったのではないか」と同温泉旅館協同組合の伊藤就一理事長は振り返る。
 廃屋だった古民家は土産物店として再生した。地元で生まれ育った赤川孝昭店長は「公衆浴場が公営から民営になったことで、料金が上がり不満を漏らす住民もいますが、お互いが歩み寄ることが大切では」と話す。
 コロナ禍に襲われ、厳しい環境での再スタートとなった。多くの旅館でキャンセルが相次ぎ、休業せざるを得なくなったが、現在は「Go To トラベル」で客足が戻りつつある。温泉街の闘いは始まったばかりだ。(写真報道局 宮崎瑞穂)

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